劇空間□プロ野球
[2000.9.13]
某K社のお陰で発売延期の上に、2000年度公式戦も終盤に差しかかろうとしているこの時期にデータは1999年度版という、某グレナイメークミラクルも真っ青のやっつけ仕事感炸裂。流石デカイ会社はやる事が違います。
そんな訳で街の評判を探ろうとWebグルグルしましたが、これと言って有用な情報を得られず。みんなドラクエで忙しいのか野球はパァプロしか眼中にないのか、仕方が無いので自分がテキトーに内容を紹介したいと思いました。
※お前の文章は読みたくないという方はこちらをどうぞ(涙):
■新世代野球ゲー PlayStation2だからこそ成し得た驚愕のクオリティ…?
オープニング映像は何故か実写。実写のオープニングといえば、昔X68000というパソコンで発売されていた「生中継68」という野球ゲーを思い出します。そう言えば「生中継68」の選手も当時としてはリアルな方でしたが、暗に実写映像と見間違うほどのクオリティだとでも抜かしたいんでしょうか?と言うことを表現しているのでしょうか?謎です。
さて、ゲーム画面はこのゲーム最大の特徴である、いわゆる「リアルなポリゴン」選手である。GraphicsWorld誌の記事によれば、モーションキャプチャリングするのに学生の現役野球選手が1万パターン以上を演じたそうです(てことはあれは全部物真似なのか!?(笑))。そっから更に編集作業を経て約3,000パターンになったそうですが、殆ど手作業だそうで開発者の皆様の苦労が偲ばれます。しかし今やこのレヴェルの映像表現が鼻歌交じりに可能なのですな。傍らの深夜番組では最先端の3DCG映像とやらが流れたりしてるんですが、まだまだゲームは進化していくのでしょう。
■投打の操作はフツーです
投打の操作方法はオーソドックスなもの。投球は球種とコースを選択する。但しコースは変化開始地点(カーブを外角低めに投げる時は、外角低めにカーソルを合わせるのではなく、真ん中やや外角低め)を指定する。
打撃は今や野球ゲーのデファクトスタンダードであろう「パワプロ」方式。即ちボールにバッティングカーソルを合わせて打つ方式だ。但し「やきゅあそ」の様に二段階スイング(勝手に命名)ではなく、1回ボタンを押すだけ。新しいのは(←自分の知るかぎり)、□/×/○ボタンでそれぞれ、流し打ち/センター返し/引っ張り(左打者の場合)が簡単に出来ること。実際のゲームでどこまで生きてくるかわからないが、雰囲気を出す為にはいいかなと思った。
■作り込みの甘い守備
守備も基本的にはフツーです。落下地点のカーソル表示があり、各ボタンが送球する塁に割り当てられる形。しかしこれはちょっと…と思うのが、外野からの返球に対して必ず中継が入ること。数十試合プレイした限りでは三塁への返球でたまに直接返るものの、バックホームは確実に中継プレーとなる。それは駄目だ炉。各塁への返球時も、中継野手と塁上の野手が近い場合はどんなに緊迫した状況でも確実にトス!開発者のやる気の無さがそのままプレーに現れているようです。
■先行入力の必要な操作システム
また守備と走塁にはある程度の先行入力が必要となる。例えば守備では捕球前に送球する塁のボタンを押さないと、一旦野手の動きが止まる(正確には送球の予備動作…「どこに投げようかな〜」とボールを投げるフリをする)。まぁこれはクイックマニュアルにも押せと明記されてますけどね。いちいち変な予備動作するのは手抜きじゃないことを密かにアピールしてますが、手抜きです(断言)。
一方走塁に関しては進塁はL1ボタンなのですが、これも予め1つ前の塁に到達する前に押しっぱなし(←ココ重要です。連打では駄目!)にしておかないと、その塁で止まってしまいます。例えば二塁打を狙う為には、一塁へ走ってる最中にL1を押しっぱなしにする必要がある。この辺の操作感覚が今までにある野球ゲーと若干違うので慣れるまでには少し時間が必要かもしれません。てゆうかマニュアル読んだだけじゃ絶対わからんわ!
※ただまあ守備に関しては納得できませんが、走塁に関しては納得する部分もあります。先行入力した場合、選手の動きも次の塁を一気に狙うが如く回り込むような走り方をするので、そこは実際の野球の動きを再現していると思います。
もう一つ走塁に関して難を言うならば、盗塁スタートをするタイミングが非常にシビアなこと。実際の野球と同様、投手がモーションを起こすか起こさないかでスタートしないと絶対に成功しない(これも先行入力の一種か)。…ってクセとかなんか見て分かるのか!?勘???(なんか段々とバカゲーの雰囲気が…)
■結論:見た目がキレイ(≠リアル)な野球ゲー≒観賞ゲー
確かにパッと見はリアルに見えるが、何度もプレイしていくと大体の動作パターンが把握出来てくるのですぐに面白みが無くなってしまう。RPGで、派手な演出効果を用いた戦闘もすぐに飽きてしまうのと同じ理屈だ(まさにスクウェアの仕事)。
野球なんてのは基本的には同じ動作の繰り返しなんだから、それで何故実際の野球よりも面白くないかといったらこれはもうゲーム自体の作り込みの甘さに他ならない。中途半端な作りがゲーム展開のワンパターン化を招き、その結果このゲームの売りである筈の「本物っぽさ」までも失われるという致命的なものになっている。
数試合プレイして感じた不満点:
※プレイ時間の少なさによる勘違いがあるかも知れません。間違い等があれば指摘して頂けるとありがたいです。
結局ぶっちゃけた話、野球ゲームとして破綻してるんだわ。今時の平均的な野球ゲームのレヴェルに達してないし、かと言って映像がリアルかといえばそんなに興奮するほどのコトでも無い。打撃/投球フォームを中心に、パターン化されている動作のモーションキャプしたものを継ぎ接ぎで見せられているだけ。はっきり言って退屈です。
随所に良い部分もあるだけに非常に残念であり、また次作も多分無く、エディット機能も無いんじゃあなあ…と無念さが残るソフトだと思いました。
お薦め度:0
劇空間プロ野球 AT THE END OF THE CENTURY 1999 | |
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プレイステーション2専用ソフト | |
メーカー | スクウェア |
ジャンル | 観賞用野球ゲー |
定価 | \6,800+Tax |